『にっぽんの温泉100選』

にっぽんの温泉100選-彷徨うBonJin

『にっぽんの温泉100選』は、観光経済新聞が1987年から毎年主催、発表している温泉地のランキングです。
旅行会社やOTA(Online Travel Agent)といった旅のプロの投票によって選ばれ、観光8団体による審査委員会が認定しています。
投票項目は、「雰囲気」「泉質」「地域内の充実」「郷土の食文化」などとなっており、それぞれのランキングを勘案して総合ランキングを決定するという本格的なものです。
毎年更新の情報ということで、新鮮かつトレンドも反映されており、近々の旅の指標としては非常に頼りになると思います。
以下、その『にっぽんの温泉100選』の現時点での最新版である第38回ランキングを取り上げ、温泉選びの参考にしたいと思います。

第38回『にっぽんの温泉100選』総合ランキング

下記は同ランキングをそのまま引用して表示しています。

1 草津温泉(群馬県)
2 道後温泉(愛媛県)
3 下呂温泉(岐阜県)
4 別府温泉(大分県)
5 有馬温泉(兵庫県)
6 登別温泉(北海道)
7 指宿温泉(鹿児島県)
8 黒川温泉(熊本県)
9 城崎温泉(兵庫県)
10 箱根温泉(神奈川県)

11 由布院温泉(大分県)
12 伊香保温泉(群馬県)
13 和倉温泉(石川県)
14 熱海温泉(静岡県)
15 奥飛騨温泉郷(岐阜県)
16 玉造温泉(島根県)
17 銀山温泉(山形県)
18 月岡温泉(新潟県)
19 乳頭温泉郷(秋田県)
20 鬼怒川・川治温泉(栃木県)
21 蔵王温泉(山形県)
22 十勝川温泉(北海道)
23 あわら温泉(福井県)
24 万座温泉(群馬県)
25 山代温泉(石川県)
26 嬉野温泉(佐賀県)
27 昼神温泉(長野県)
28 秋保温泉(宮城県)
28 霧島温泉(鹿児島県)
30 三朝温泉(鳥取県)
31 鳴子温泉(宮城県)
32 四万温泉(群馬県)
32 みなかみ18湯(群馬県)
32 白骨温泉(長野県)
35 湯田中渋温泉郷(長野県)
36 湯の川温泉(北海道)
37 定山渓温泉(北海道)
37 白浜温泉(和歌山県)
39 平磯温泉(北海道)
39 山中温泉(石川県)
41 宇奈月温泉(富山県)
42 雲仙温泉(長崎県)
43 上諏訪温泉(長野県)
43 飛騨高山温泉(岐阜県)
45 酸ヶ湯温泉(青森県)
45 野沢温泉(長野県)
45 修善寺温泉(静岡県)
45 長門湯本温泉(山口県)
49 花巻温泉郷(岩手県)
49 富士山石和温泉(山梨県)

51 長良川温泉(岐阜県)
52 阿寒湖温泉(北海道)
53 湯河原温泉(神奈川県)
54 稲取温泉(静岡県)
55 川湯温泉(北海道)
56 層雲峡温泉(北海道)
57 母畑温泉(福島県)
58 ウトロ温泉(北海道)
59 洞爺湖温泉(北海道)
59 かみのやま温泉(山形県)
59 越後湯沢温泉(新潟県)
62 松之山温泉(新潟県)
62 観音温泉(静岡県)
62 人吉温泉(熊本県)
62 山鹿・平山温泉(熊本県)
66 伊東温泉(静岡県)
66 皆生温泉(鳥取県)
68 那須温泉(栃木県)
69 玉川温泉(秋田県)
69 高湯温泉(福島県)
69 こんぴら温泉郷(香川県)
72 東山温泉(福島県)
73 塩原温泉(栃木県)
74 湯西川温泉(栃木県)
75 金太郎温泉(富山県)
76 おごと温泉(滋賀県)
76 湯村温泉(兵庫県)
76 阿蘇温泉郷(熊本県)
80 あつみ温泉(山形県)
80 芦ノ牧温泉(福島県)
80 下田温泉(静岡県)
83 ニセコ温泉郷(北海道)
83 鳥羽温泉郷(三重県)
85 日光湯元温泉(栃木県)
85 南紀勝浦温泉(和歌山県)
85 洲本温泉(兵庫県)
85 祖谷温泉(徳島県)
89 浅虫温泉(青森県)
89 河口湖温泉(山梨県)
89 扉温泉(長野県)
89 瀬波温泉(新潟県)
89 長島温泉(三重県)
94 つなぎ温泉(岩手県)
94 磐梯熱海温泉(福島県)
94 別所温泉(長野県)
97 天童温泉(山形県)
97 鴨川温泉(千葉県)
97 西山温泉(山梨県)
100 作並温泉(宮城県)

上位温泉地の特徴

トップ10にランクインした温泉地は、いずれも日本を代表する名湯として知られています。
せっかくのランキング形式なので、トップ10として選ばれる理由も含めてそれぞれの温泉地の特徴を見ていきましょう。

1位:草津温泉(群馬県)

草津温泉は、22年連続で総合ランキングの首位を維持しているそうです。長年にわたる首位の維持は、その高い泉質と独特の文化、そして積極的な観光PR活動の賜物と言えるでしょう。 
日本一の自然湧出量を誇る温泉は強酸性で殺菌効果が高く 、名物の「湯もみ」は、温泉の効能を薄めることなく入浴に適した温度に下げるために考案されたと言われています。湯畑を中心とした温泉街の景観も魅力の一つであり、多くの観光客を惹きつけています。

2位:道後温泉(愛媛県)

少し意外な気もしますが今回のランキングが過去最高位ということです。
日本書紀にも記述がある日本最古の温泉の一つであり、夏目漱石の小説「坊ちゃん」の舞台としても知られています 。泉質はアルカリ性単純泉 で、肌触りの良さが特徴です。道後ハイカラ通り をはじめとする温泉街の散策も楽しめ、歴史的な温泉本館は国の重要文化財にも指定されています。
過去最高位を獲得した背景には、温泉自体の魅力に加え、近年積極的に行われている観光客誘致の取り組みが奏功したと考えられます 。  

3位:下呂温泉(岐阜県)

泉質はアルカリ性単純泉で 、なめらかな肌触りから「美人の湯」とも呼ばれています。飛騨川沿いに広がる温泉街は風情があり、散策や食べ歩きも楽しめます。白鷺が温泉のありかを知らせたという伝説 も残されており、古くから多くの人々に愛されてきた温泉地であることがうかがえます。  

4位:別府温泉(大分県)

別府温泉は、別府市内に点在する温泉の総称です。別府温泉の寄与する大分県は、日本一の源泉数と湧出量を誇ります 。JR別府駅からのアクセスも良く、日帰りでも気軽に温泉を楽しめるのが魅力です 。地元の人々が利用する共同浴場も多く 、それぞれ異なる泉質を持つ八つの温泉郷(別府八湯) を巡ることができます。  

5位:有馬温泉(兵庫県)

有馬温泉は、鉄分を含む赤褐色の「金泉」と、ラドンを含む無色の「銀泉」という二種類の泉質が特徴です 。日本書紀にも記述がある日本三古湯の一つ であり、豊臣秀吉などの歴史上の人物にも愛されてきました 。古くからの湯治場としての歴史と、多様な泉質が魅力です。  

6位:登別温泉(北海道)

登別温泉は、硫黄泉、食塩泉、酸性鉄泉、重曹泉、明礬泉など、九種類もの泉質を持つ珍しい温泉地です 。最大の源泉である地獄谷には遊歩道が整備されており、温泉の湧き出る様子を間近で見ることができます 。  

7位:指宿温泉(鹿児島県)

指宿温泉は、鹿児島県を代表する観光地で、指宿温泉、摺ヶ浜温泉、弥次ヶ淵温泉、二月田温泉などの温泉地から構成されています 。特に有名なのは、デトックス効果があると言われる「砂むし風呂」です。  

8位:黒川温泉(熊本県)

黒川温泉は、熊本県阿蘇に位置し、豊かな自然に囲まれた温泉地です 。30軒の旅館があり 、「露天風呂の夢巡り」として、様々な泉質の露天風呂を楽しむことができます 。冬には竹灯りによる「湯あかり」という幻想的なイベントも開催されます 。  

9位:城崎温泉(兵庫県)

城崎温泉は、1400年以上の歴史を持つと言われる温泉地です。七つの外湯巡りが名物であり、浴衣姿で歴史ある温泉街を散策するのが推奨されています。  

10位:箱根温泉(神奈川県)

箱根温泉は、それぞれ泉質の異なる17の温泉地からなる温泉郷です 。箱根十七湯の湧出量は日本でも有数であり 、芦ノ湖などの観光地にも恵まれた日本有数の温泉リゾート地です。都心からのアクセスが良いことも魅力の一つです。

まとめ

この記事では、観光経済新聞社主催の、第38回『にっぽんの温泉100選』総合ランキングについてまとめました。
このランキングは、長年の歴史と伝統を持つ日本の温泉文化を反映したものであり、旅行業界のプロフェッショナルたちの評価を通じて、年毎の人気の温泉地を明らかにしています。
2024年については、草津温泉の不動の地位、道後温泉の躍進、そして下呂温泉をはじめとする名湯の安定した人気を知ることができました。

このランキングは、温泉地の運営者にとっては自らの温泉地の強みや改善点を知るための貴重なフィードバックとなり、旅行会社やOTAにとっては顧客に魅力的な温泉地を提案するための重要な指標となります。また、地域経済の活性化を目指す自治体にとっても、観光戦略を策定する上で参考となるでしょう。

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