2018 サンクトペテルブルクオープン M.ユーズニー引退 輝く499勝【2018サンクトペテルブルク】

 

テニス 2018 サンクトペテルブルグオープン ロシアの豪傑が引退

ATP250 サンクトペテルブルクオープン
サンクトペテルブルク/ロシア
2018.09.17 – 2018.09.23
St. Petersburg Open
St. Petersburg, Russia

 

M.ユーズニー(Mikhail Youzhny)コートを去る

ユーズニーは、1999年のプロ転向から約19年に渡る選手生活を送り、現役最終戦時点の単ランキングは110位、最高位は2008年の8位でした。
生涯戦績は499勝416敗で、10個のタイトルを獲得、賞金総合計額はUSD 12,958,590にも及びます。

 

36歳、数々の栄光

生誕地、現拠点もロシアのモスクワです。
今日現在、36歳(1982/06/25生)ですから、旧ソ連時代のモスクワ生まれということになります(旧ソ連崩壊は1991年)。失礼な話になってしまいますが、激動の歴史を挟んでいるため余程古い時代のような気がします(まあ、筆者はもっと年長ですから人のことを言えませんが…)。
6歳からテニスを始め、少年時代に憧れたアイドルは「コートの貴公子」S.エドバーグだったと言います。

 

2013年には通算400勝達成。ロシア人男子として、E.カフェルニコフ、N.ダビデンコ、M.サフィンに次ぐ4人目の記録を樹立しました。

 

また、ツアーだけでなく、デビスカップでもロシア代表として2002年、2006年の優勝に大きく貢献しています。
特に、2002年のフランスとのワールドグループ決勝では、弱冠20歳でディサイデッドゲームとなる第5戦のシングルスに抜擢され、これも名選手のP.H.マチューをフルセットの末降して祖国初優勝の栄冠に名を残しました。

 

サーフェスの得手不得手もあまりなく、パワフルなストローカーで、特に片手バックハンドの威力は上位選手をも常に苦しめました。
感情表現は激しく、ミスに激昂してラケット面で自身の額を殴打し多量の血を流しながら試合を続行したこともありました。

 

いかつい容貌と闘争心むき出しのプレースタイルがいかにもロシアの豪傑の風を醸しだしてはいましたが、選手生活中にロシアの大学で哲学の博士号を修得するなど、学究肌も持ち合わせたアスリートでもあります。

 

大会2回戦、最後の相手はR.B.アグート

彼が選んだ現役最後の大会は、祖国ロシアのサンクトペテルブルグオープン、ワイルドカードでの出場でした。

1回戦、気鋭の若手、26歳のM.バシッチ(ボスニア)からストレート勝利を収めマッチ通算499勝目を挙げました。
そして2回戦、世界ランキング26位の強豪R.B.アグートとの試合。ユーズニーも奮戦しましたがフルセットの末敗退し、区切りであるはずのマッチ通算500勝を目前にしながらラケットを置きました。
恐らくアグートもやりづらかったことでしょうがそこはプロのトーナメントの世界の厳しさ、生涯成績の区切りの大台がかかっているとはいえ、毎日が真剣勝負の現役プレイヤーが去り行くものにお情けの勝利を贈呈することはできません。

M.ユーズニー vs R.B.アグート
67 63 36

 

またひとり、長年テニス界を盛り上げてくれた骨っぽい選手が舞台を去りました。

お疲れ様でした。第2の人生の幸福を祈っています。

 

 

1回戦 M.ユーズニー vs M.バシッチ  ハイライト

2回戦 M.ユーズニー vs R.B.アグート  ハイライト

 

 

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