2017バルセロナ 決勝
R.ナダル vs D.ティエム
63 61
赤土の魔人・ナダルがまた区切りの大会制覇を成し遂げました。
同大会の制覇は10回目。(^^;
既に、先のモンテカルロ・マスターズでも、同大会通算10回目の優勝、同時に通算70勝、クレー通算50勝を達成しており、クレーシーズンでの区切り制覇ラッシュが続きます。
試合は、ナダル本来の、圧倒的なパフォーマンスで、若武者・ティエムを一蹴しました。
ティエムも、クレーコーターを自認するひとりです。
そして、若いながらもフィジカル、メンタル、センス、球質と、全てに秀でた資質を持つタレントなのですが、この試合でも、ティエムがそれほど悪いわけでもないのに、どうも勝てる要素が見当たらない。
ナダルのテニスとは、
端的に、ボールを追いかけ、守備にまわってもできるだけ深く返す。
フォアだろうとバックだろうと、ストレートだろうとクロスだろうと、正確にサイドライン際を捉える。
チャンスを見極め、体制に余裕があるときには磨きぬかれたフォアの超回転スピン。
基本は、こういうシンプルな戦略。
これらを淡々と繰り返す。
見た目千差万別に見えるプレイでも、骨格としてはこのようなものだと思います。
ただ、そのひとつひとつの質が並外れて高い。
天性の身体能力と、凄まじい訓練の成果だと思います。
飽くことなく、子どもの頃から何年も、叔父でありコーチでもあるT.ナダルと一緒に、磨き上げてきた結晶です。
ナダルは、今年の初めには、永年の宿敵、且つ盟友でもあるもう一人の達人とともに、時計の針を2009年まで戻してみせました。
そのときは、紙一重の差で、主役の座を譲りましたが、近づいてきた今度の舞台は、ローラン・ギャロス、赤土の城です。
そこでまた、更にかつての伝説の続きを再現させるつもりなのでしょうか。
クレー最強伝説を更に上積みするべく、スペインの英雄は牙を研いでいます。
