テニス 2015 イタリアオープン Internazionali d’Italia (マスターズ1000 ローマ/イタリア) 決勝レビューと今後の錦織について
私、先ほどライブ観戦を終えました。
2015 イタリアオープン 決勝 N.ジョコビッチ(1) vs R.フェデラー(2) 64 63
この対戦まで、フェデラーから20勝18敗という戦績。
序盤戦は両者ともその戦績と新旧王者のプライドを象徴するような緊迫したゲームでした。
が、終わってみれば、今のジョコビッチの盤石さを改めて印象づけられたかたちです。
ジョコビッチのストレート完勝。
相変わらず華のあるエレガントな動きとスーパーショットを見せるフェデラーですが、ジョコビッチの一つひとつのポイントの積み重ねに結果として力負けという印象です。
ここぞという場面のミスのないポイント。
あまりに広範囲のコートカバーリングに、終始安定した、どこからでも打てる深いストローク。
そのラリーですが、特にベースラインでのせめぎ合いをジョコビッチが制しているのがスタッツからも伺えます。
無論、フェデラーも戦況をわかっていて、ネットプレーやスライスで早めの勝負をしかけるのですがなかなか連続ポイントに結びつきません。
相手がしたいことをさせない。
相手の意図を逆手にとる。
実に嫌な、じわじわとメンタルを削られるような戦略と技術。
これが今のNo.1の総合力。
史上最高のオールラウンダーをして、なかなかやりたいプレーをさせてもらえない…。
強いです。
優勝おめでとう、王者・ジョコビッチ。
錦織圭、もう少しの経験値と戦略が必要だ!
転じて、わたし的にはひとつの光明があらためて見えてきました。
もちろん、我らが錦織圭について。
世界ランキング5位、今大会のローマでもベスト8に食い込み、悪くない戦いをしていると思います。
しかし、またも王者に蹂躙されました。
ただ、恐らくは戦略の差で敗れている。
2015マドリードオープン(マスターズ)準決勝のA.マレー戦(錦織0-2の敗戦)、そして今大会準々決勝でのジョコビッチ戦(錦織1-2の敗戦)、いずれの試合も、彼らは錦織とのラリー戦をできるだけ回避する戦略をとりました。
これは、「No.1王者をはじめとするBIG4の面々が錦織とのラリーに危険を感じている」ということ!。
大袈裟でなく、彼らはその旨の発言をインタビューでもしています。
極めてATPに造詣の深いファンの読者の皆様からは、「そんなことはわかってる」と、お叱りを受けるかもしれません。
ただ、ついでにもう一言言わせてください。
錦織圭の現在地は、「本当に、もう少しのところ」なのだと。
したいことをさせない戦略をとる相手に対して、「もうひとつ老獪さ」があれば良い。
過度な期待は酷なのかもしれません。
でも、あのレベルにしてプレイ中に時折見せるあの笑顔。
多彩なショットで自分も楽しみ、観客も魅了する天才的プレイスタイル。
世界でも屈指のショットメーカーが、日本人にいる。
こんな日本人選手はもう、そうそう見ることはできないと思います。
だから、記憶だけでなく、世界の歴史に刻まれる栄冠も欲しい!!
そして、やはり、これほどのレベルの争いは、戦略で勝負が決まる!
数名の際立った怪物たちと何度もわたりあい、その狡猾さと、相手を絡め獲るような戦略を骨身に沁みこませて、経験値を積み重ねること。
M.チャンコーチ、1度だけでも良いから栄冠を取らせてあげてほしい。
小さな身体でひと昔前の怪物たちを翻弄してきた、あなたの「悪魔の戦略」を、更にバージョンアップして彼に移植してください。
