テニス 2020 引退を表明したプレイヤー達
世界中が新型コロナ(COVID-19)禍に翻弄された2020年でしたが、テニス界ではなんとかATPファイナルズ開催まで漕ぎつけ、大半の選手たちは短いオフに入っています。
2020年は大会数も制限されてしまいましたが、時間だけは淡々と過ぎていきました。そして今年も、その人生において幾ばくかの「濃厚な時間を過ごした名選手」たちが引退を表明しています。
各々、スケジューリングが思うに任せない状況のなか、幕を引くタイミングも難しかったと思います。
主な引退表明選手たちのプロフィール
※2020年12月現在で引退確報とされる選手のみ取り上げています。
ATP男子
S.ヒラルド
1987年11月27日生 33歳 国籍・出身ともにコロンビア。
身長188cm 右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。
プロ転向は2004年。
自己最高ランキングはシングルス28位、ダブルス77位。
- ツアー通算成績
シングルス:168勝205敗 ダブルス:28勝74敗 - ツアー優勝回数
シングルス:0 ダブルス:0 - グランドスラム成績
最高成績 シングルス:3回戦 ダブルス:ー
優勝 シングルス:0 ダブルス:0
ヒラルドは、単複ともにツアータイトルを掴むことはできませんでしたが、ファイト溢れるプレーでコロンビア随一の人気を誇る選手でした。
デビスカップでも同国代表として長年活躍した業績は内外からリスペクトを受けています。
B.ブライアン/M.ブライアン(ブライアン兄弟)
B.ブライアン
1978年4月29日生 42歳 国籍・出身ともにアメリカ合衆国。
身長193cm 左利き、バックハンド・ストロークは片手打ち。
プロ転向は1998年。
自己最高ランキングはシングルス116位、ダブルス1位。
M.ブライアン
1978年4月29日生 42歳 国籍・出身ともにアメリカ合衆国。
身長190cm 右利き、バックハンド・ストロークは片手打ち。
プロ転向は1998年。
自己最高ランキングはシングルス246位、ダブルス1位。
以下、ツアー成績はペアでのダブルスのみ表記。
- ツアー通算成績 ダブルス:1108勝359敗
- ツアー決勝進出回数 ダブルス:(119勝)
- グランドスラム成績
最高成績 ダブルス:優勝
優勝 ダブルス:16(全豪6・全仏2・ウィンブルドン3・全米5)
ダブル・キャリア・グランドスラム及びキャリア・ゴールデンスラム達成。
史上最強のダブルスチームとして既に伝説となっている双生児ペアも遂に引退です。
チームとして、ほとんどの歴代記録を大きく塗り替えておりその栄誉は枚挙に暇がありません。
体格に恵まれ、抜群の運動神経を持って生まれた双生児が、同じテニスという競技を選び文字通り一心同体の努力を重ねました(しかも各々利き手違いの幸運も)。
結果、圧倒的な勝者として長くキャリアを重ねただけでなく、世にダブルス競技の魅力を多く見せてくれました。
コロナ禍で混乱する世界に配慮して、その偉大なキャリアを静かに閉じたことも印象的でした。
WTA女子
M.シャラポワ
1987年4月19日生 33歳 国籍・出身ともにロシア。
身長188cm 右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。
プロ転向は2004年。
自己最高ランキングはシングルス1位、ダブルス41位。
- ツアー通算成績 シングルス:647勝169敗 ダブルス:23勝17敗
- ツアー優勝回数 シングルス:36 ダブルス:3
- グランドスラム成績
最高成績 シングルス:優勝5(全豪1・全仏2・ウィンブルドン1・全米1) ダブルス:ー
史上10人目のキャリア・グランドスラム達成。
スポーツ界でのジャンルを問わず常に中心に君臨し続けた言わずと知れた大スター。
その美貌と抜群のスタイルに似合わぬ闘争心溢れる激しいプレイは長く世界中を魅了しました。
ワイルドカードで出場した2003年ウィンブルドン選手権4回戦進出で注目を浴びると、翌2004年の全仏オープンベスト8に続き同年のウィンブルドン選手権では17歳で衝撃の初優勝を果たし一気にブレイクしました。
ケガやトラブルも多く激動のキャリアを過ごしましたが、テニスへの情熱とその勝利への執念は常にブレることなく維持し続けました。
エンターテイナー、事業家としての才能も発揮しており今後も世界で最も目立つ人物のひとりとして活躍し続けることでしょう。
C.ウォズニアッキ
1990年7月11日生 30歳 国籍・出身ともにデンマーク。
身長177cm 右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。
プロ転向は2005年。
自己最高ランキングはシングルス1位、ダブルス52位。
- ツアー通算成績 シングルス:633勝263敗 ダブルス:39勝56敗
- ツアー優勝回数 シングルス:30 ダブルス:2
- グランドスラム成績
最高成績 シングルス:優勝(2018全豪) ダブルス:3回戦(2009全米)
2019年12月にツイッターで引退表明。2020年の全豪オープン3回戦を最後にキャリアに終止符を打ちました。
テニス界ではデンマーク人として初の偉業を多く成し遂げたスターでした。
「北欧の壁」と称された稀代のディフェンスから強烈なカウンターを放つ華のあるプレイスタイルと、笑顔の似合う愛くるしいルックスで世界的な人気を博します。
若くしてランキング1位に君臨(2010年)するなど一時代を築くかに思われましたが、以降なかなかグランドスラムをはじめビッグタイトルに手が届かず「無冠の女王」と揶揄されたこともありました。悲願のグランドスラム初優勝は2018全豪で、同じくグランドスラム初優勝を狙う当時ランキング1位のS.パレプとの激戦を制し女王の座を掴みました。
ジュニア時代から日本開催の大会と相性が良く、ツアーでも5度のタイトル(ジャパン・オープン1勝、東レ・パン・パシフィックオープン4勝)を記録しています。
J.ラーション
1988年8月17日生 32歳 国籍・出身ともにスウェーデン。
身長188cm 右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。
プロ転向は2006年。
自己最高ランキングはシングルス45位、ダブルス20位。
- ツアー通算成績 シングルス:442勝338敗 ダブルス:301勝185敗
- ツアー優勝回数 シングルス:2 ダブルス:14
- グランドスラム成績
最高成績 シングルス:3回戦 ダブルス:ベスト4
2020年2月、自身のインスタグラムで現役引退を発表しました。
A.タチシュビリ
1990年2月3日生 30歳 国籍はアメリカ合衆国、出身はジョージア。
身長171cm 右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。
プロ転向は2005年。
自己最高ランキングはシングルス50位、ダブルス59位。
- ツアー通算成績 シングルス:355勝280敗 ダブルス:158勝134敗
- ツアー優勝回数 シングルス:0 ダブルス:1
- グランドスラム成績
最高成績 シングルス:4回戦(2012全米) ダブルス:3回戦(2011全米)
2020年3月にツイッターで、ケガのため現役を引退すると発表しました。
S.S.エスピノーサ
1987年11月19日生 33歳 国籍・出身ともにスペイン。
身長169cm 右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。
プロ転向は2003年。
自己最高ランキングはシングルス54位、ダブルス39位。
- ツアー通算成績 シングルス:418勝316敗 ダブルス:129勝148敗
- ツアー優勝回数 シングルス:0 ダブルス:1
- グランドスラム成績
最高成績 シングルス:3回戦(2011・2012全米、2014全仏) ダブルス:ベスト8(2013・2014全豪、2015全仏)
2020年5月に自身のインスタグラムで現役引退を発表しました。
ジェイミー・ハンプトン
1990年1月8日生 30歳 国籍はアメリカ合衆国、出身はドイツ。
身長173cm 右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。
プロ転向は2009年。
自己最高ランキングはシングルス24位、ダブルス74位。
- ツアー通算成績 シングルス:184勝113敗 ダブルス:47勝40敗
- ツアー優勝回数 シングルス:0 ダブルス:0
- グランドスラム成績
最高成績 シングルス:4回戦(2013全仏) ダブルス:2回戦(2010全米)
2014オークランド(ASBクラシック)大会の準決勝進出を最後にツアーでの成績は無く、今年になって現役引退を発表しました。
M.リバリコバ
1988年10月4日生 32歳 国籍・出身ともにスロバキア。
身長180cm 右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。
プロ転向は2005年。
自己最高ランキングはシングルス17位、ダブルス50位。
- ツアー通算成績 シングルス:426勝307敗 ダブルス:65勝71敗
- ツアー優勝回数 シングルス:5 ダブルス:4
- グランドスラム成績
最高成績 シングルス:ベスト4(2017ウィンブルドン) ダブルス:ベスト4(2014ウィンブルドン)
J.ゲルゲス
1988年11月2日生 32歳 国籍・出身ともにドイツ。
身長180cm 右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。
プロ転向は2005年。
自己最高ランキングはシングルス9位、ダブルス12位。
- ツアー通算成績 シングルス:479勝337敗 ダブルス:253勝206敗
- ツアー優勝回数 シングルス:7 ダブルス:5
- グランドスラム成績
最高成績 シングルス:ベスト4(2018ウィンブルドン) ダブルス:ベスト4(2015・2016全豪、2016ウィンブルドン)
2020全仏を最後に現役引退を発表。