
2020年。新型コロナウィルス(COVID-19)の蔓延で世界中が苦しみました。
来年も先が見通せない状況が続きそうですが、少しでも状況が良くなってくれることを切に願います。
2020年の今年、ATPは、そのパンデミック禍に対する苦肉の策でもありますが世界ランキングを条件付きで凍結することを決定。選手たちにとって各々恩恵があるや否やで未だ物議を醸しています。
しかし、今年の全豪オープン優勝後に世界1位に返り咲いた王者・N.ジョコビッチだけは、ランキングに関しては数多の者たちとは次元の異なる挑戦を続けています。
即ち、歴代最多在位期間の更新です。
そしてその更新を狙う対象者は、生ける伝説・R.フェデラー(在位期間310週・歴代1位)。
ジョコビッチは既に今年の12月21日付けランキングで1位在位期間300週に到達しており、このまま1位が揺るがなければ2021年3月1日付けのランキング更新でフェデラーに並びます。
現在ランキング5位のフェデラーは2021年の全豪オープンは欠場を発表しており、自らがジョコビッチの記録更新を阻むことはまず不可能。
現在世界ランキング2位のR.ナダルとのポイント差は2,180ポイント(参考までに、ナダルは通算1位通算在位期間は206週で現在6位)。
ジョコビッチ、かなり更新が濃厚。果たしてどうなるか。
前置きが長くなりましたがこの記事では、上記のイベント予習も兼ねて「ATP世界ランキング1位」の歴史を以下にまとめたいと思います。

この記事は、今後保存版として随時更新していきます。
果たしてどこまで続くのか…。
王者の系譜 世界ランキング1位 時系列リスト
ランキングが制度化されたのは1973年とされています。
最初の1位ランカーは、「ブカレストの道化師」・I.ナスターゼでした。
※「在位期間」「選手名」「連続在位週」の順で並べています。
※「選手名」の赤字表記は、その選手のランキング1位初登場の期間を示します。
- 1973.08.23 – 1974.06.02 I.ナスターゼ 40
- 1974.06.03 – 1974.07.28 J.ニーカム 8
- 1974.07.29 – 1977.08.22 J.コナーズ 160
- 1977.08.23 – 1977.08.29 B.ボルグ 1
- 1977.08.30 – 1979.04.08 J.コナーズ 84
- 1979.04.09 – 1979.05.20 B.ボルグ 6
- 1979.05.21 – 1979.07.08 J.コナーズ 7
- 1979.07.09 – 1980.03.02 B.ボルグ 34
- 1980.03.03 – 1980.03.23 J.マッケンロー 3
- 1980.03.24 – 1980.08.10 B.ボルグ 20
- 1980.08.11 – 1980.08.17 J.マッケンロー 1
- 1980.08.18 – 1981.07.05 B.ボルグ 46
- 1981.07.06 – 1981.07.19 J.マッケンロー 2
- 1981.07.20 – 1981.08.02 B.ボルグ 2
- 1981.08.03 – 1982.09.12 J.マッケンロー 58
- 1982.09.13 – 1982.10.31 J.コナーズ 7
- 1982.11.01 – 1982.11.07 J.マッケンロー 1
- 1982.11.08 – 1982.11.14 J.コナーズ 1
- 1982.11.15 – 1983.01.30 J.マッケンロー 11
- 1983.01.31 – 1983.02.06 J.コナーズ 1
- 1983.02.07 – 1983.02.13 J.マッケンロー 1
- 1983.02.14 – 1983.02.27 J.コナーズ 2
- 1983.02.28 – 1083.05.15 I.レンドル 11
- 1983.05.16 – 1983.06.05 J.コナーズ 3
- 1983.06.06 – 1983.06.12 J.マッケンロー 1
- 1983.06.13 – 1983.07.03 J.コナーズ 3
- 1983.07.04 – 1983.10.30 J.マッケンロー 17
- 1983.10.31 – 1983.12.11 I.レンドル 6
- 1983.12.12 – 1984.01.08 J.マッケンロー 4
- 1984.01.09 – 1984.03.11 I.レンドル 9
- 1984.03.12 – 1984.06.10 J.マッケンロー 13
- 1984.06.11 – 1984.06.17 I.レンドル 1
- 1984.06.18 – 1984.07.08 J.マッケンロー 3
- 1984.07.09 – 1984.08.12 I.レンドル 5
- 1984.08.13 – 1985.08.18 J.マッケンロー 53
- 1985.08.19 – 1985.08.25 I.レンドル 1
- 1985.08.26 – 1985.09.08 J.マッケンロー 2
- 1988.09.12 – 1989.01.28 M.ビランデル 20
- 1989.09.09 – 1990.08.12 I.レンドル 80
- 1990.08.13 – 1991.01.27 S.エドバーグ 24
- 1991.01.28 – 1991.02.17 B.ベッカー 3
- 1991.02.18 – 1991.07.07 S.エドバーグ 20
- 1991.07.08 – 1991.09.08 B.ベッカー 9
- 1991.09.09 – 1992.02.09 S.エドバーグ 22
- 1992.02.10 – 1992.03.22 J.クーリエ 6
- 1992.03.23 – 1992.04.12 S.エドバーグ 3
- 1992.04.13 – 1992.09.13 J.クーリエ 22
- 1992.09.14 – 1992.10.04 S.エドバーグ 3
- 1992.10.05 – 1993.04.11 J.クーリエ 27
- 1993.04.12 – 1993.08.22 P.サンプラス 19
- 1993.08.23 – 1993.09.12 J.クーリエ 3
- 1993.09.13 – 1995.04.09 P.サンプラス 82
- 1995.04.10 – 1995.11.05 A.アガシ 30
- 1995.11.06 – 1996.01.28 P.サンプラス 12
- 1996.01.29 – 1996.02.11 A.アガシ 2
- 1996.02.12 – 1996.02.18 T.ムスター 1
- 1996.02.19 – 1996.03.10 P.サンプラス 3
- 1996.03.11 – 1996.04.13 T.ムスター 5
- 1996.04.14 – 1998.03.29 P.サンプラス 102
- 1998.03.30 – 1998.04.26 M.リオス 4
- 1998.04.27 – 7998.08.09 P.サンプラス 15
- 1998.08.10 – 1998.08.23 M.リオス 2
- 1998.08.24 – 1998.03.14 P.サンプラス 29
- 1999.03.15 – 1999.03.28 C.モヤ 3
- 1999.03.29 – 1999.05.02 P.サンプラス 5
- 1999.05.03 – 1999.06.13 Y.カフェルニコフ 6
- 1999.06.14 – 1999.07.04 P.サンプラス 3
- 1999.07.05 – 1999.07.25 A.アガシ 3
- 1999.07.26 – 1999.08.01 P.ラフター 1
- 1999.08.02 – 1999.09.12 P.サンプラス 6
- 1999.09.13 – 2000.09.10 A.アガシ 52
- 2000.09.11 – 2000.11.19 P.サンプラス 10
- 2000.11.20 – 2000.12.03 M.サフィン 2
- 2000.12.04 – 2001.01.28 G.クエルテン 8
- 2001.01.29 – 2001.02.25 M.サフィン 4
- 2001.02.26 – 2001.03.26 G.クエルテン 5
- 2001.04.02 – 2001.04.22 M.サフィン 3
- 2001.04.23 – 2001.11.18 G.クエルテン 30
- 2001.11.19 – 2003.04.27 L.ヒューイット 75
- 2003.04.28 – 2003.05.11 A.アガシ 2
- 2003.05.12 – 2003.06.15 L.ヒューイット 5
- 2003.06.16 – 2003.09.07 A.アガシ 12
- 2003.09.08 – 2003.11.02 J.C.フェレーロ 8
- 2003.11.03 – 2004.02.01 A.ロディック 13
- 2004.02.02 – 2008.08.17 R.フェデラー 237
- 2008.08.18 – 2009.07.05 R.ナダル 46
- 2009.07.06 – 2010.06.06 R.フェデラー 48
- 2010.06.07 – 2011.07.03 R.ナダル 56
- 2011.07.04 – 2012.07.08 N.ジョコビッチ 53
- 2012.07.09 – 2012.11.04 R.フェデラー 17
- 2012.11.05 – 2013.10.06 N.ジョコビッチ 48
- 2013.10.07 – 2014.07.06 R.ナダル 39
- 2014.07.07 – 2016.11.06 N.ジョコビッチ 122
- 2016.11.07 – 2017.08.20 A.マレー 41
- 2017.08.21 – 2018.02.18 R.ナダル 26
- 2018.02.19 – 2018.04.01 R.フェデラー 6
- 2018.04.02 – 2018.05.13 R.ナダル 6
- 2018.05.14 – 2018.05.20 R.フェデラー 1
- 2018.05.21 – 2018.06.17 R.ナダル 4
- 2018.06.18 – 2018.06.24 R.フェデラー 1
- 2018.06.25 – 2018.11.04 R.ナダル 17
- 2018.11.05 – 2019.11.03 N.ジョコビッチ 47
- 2019.11.04 – 2020.01.26 R.ナダル 12
- 2020.02.03 – 2022.02.27 N.ジョコビッチ 77
- 2022.02.28 – 2022.03.20 D.メドベージェフ 2
- 2022.03.21 – 2022.06.12 N.ジョコビッチ 10
- 2022.06.13 – 2022.09.11 D.メドベージェフ 11
- 2022.09.12 – 2023.01.29 C.アルカラス 20
- 2023.01.30 – ****.**.** N.ジョコビッチ ?
壮観の一言に尽きます。
こう並べてみると、時代のトップの苛烈なライバル関係も浮き上がってきます。
そして、2004年以降2020年末現在まで4人の名前しか見当たらないこと、またその3名が今なお現役で存在感を示していることに改めて感嘆します。
そして以下が通算1位在位週のランキング10傑(随時見直します)。
- N.ジョコビッチ: 358~ (2023/01/30 更新)
※2023.02.20付ランキングで通算在位377週となり男女を通じて最長のS.グラフと並ぶ。 - R.フェデラー: 310
- P.サンプラス: 286
- I.レンドル: 270
- J.コナーズ: 268
- R.ナダル: 209
- J.マッケンロー: 170
- B.ボルグ: 109
- A.アガシ: 101
- L.ヒューイット: 80
47年間で26人しかいない王者
26人。
テニスの神に選ばれたとしか言いようのない選手たち。この選手たちのそれぞれの時代の下位被支配層となったプロテニスプレイヤーの数は数千人で足りるでしょうか。
この26人。テニスファンならば聞いたことのある名前ばかりだと思いますが、せっかくなので上表の選手たちの簡単な実績を挙げておきます。
※上表初登場順
- I.ナスターゼ Ilie Nastase ルーマニア
グランドスラム・シングルス優勝:2回
グランドスラム・ダブルス優勝:3回 - J.ニューカム John Newcombe オーストラリア
グランドスラム・シングルス優勝:7回
グランドスラム・ダブルス優勝:17回 - J.コナーズ Jimmy Connors アメリカ
グランドスラム・シングルス優勝:8回
グランドスラム・ダブルス優勝:2回 - B.ボルグ Bjorn Borg スウェーデン
グランドスラム・シングルス優勝:11回 - J.マッケンロー John McEnroe アメリカ
グランドスラム・シングルス優勝:7回
グランドスラム・ダブルス優勝:9回 - I.レンドル Ivan Lendl アメリカ(チェコスロバキア)
グランドスラム・シングルス優勝:8回 - M.ビランデル Mats Wilander スウェーデン
グランドスラム・シングルス優勝:7回
グランドスラム・ダブルス優勝:1回 - S.エドバーグ Stefan Edberg スウェーデン
グランドスラム・シングルス優勝:6回
グランドスラム・ダブルス優勝:3回 - B.ベッカー Boris Becker ドイツ(西ドイツ)
グランドスラム・シングルス優勝:6回 - J.クーリエ James Courier アメリカ
グランドスラム・シングルス優勝:4回 - P.サンプラス Pete Sampras アメリカ
グランドスラム・シングルス優勝:14回 - A.アガシ Andre Agassi アメリカ
グランドスラム・シングルス優勝:8回
オリンピック・シングルス金メダル:1回
キャリアグランドスラム達成者
キャリアゴールデンスラム達成者- キャリアグランドスラム、五輪金メダル、最終戦優勝の3つ(シングルス)を果たした唯一の選手。
妻は、年間ゴールデンスラム(グランドスラム4大会とオリンピックを制すること)を達成した史上唯一のプレイヤーであるS.グラフ。
- キャリアグランドスラム、五輪金メダル、最終戦優勝の3つ(シングルス)を果たした唯一の選手。
- T.ムスター Thomas Muster オーストリア
グランドスラム・シングルス優勝:1回 - M.リオス Marcelo Rios チリ
オープン化以降唯一のグランドスラム優勝経験無しの世界ランキング1位在位者。 - C.モヤ Carlos Moya スペイン
グランドスラム・シングルス優勝:1回 - Y.カフェルニコフ Yevgeny Kafelnikov ロシア
グランドスラム・シングルス優勝:2回
グランドスラム・ダブルス優勝:4回 - P.ラフター Patrick Rafter オーストラリア
グランドスラム・シングルス優勝:2回
グランドスラム・ダブルス優勝:1回 - M.サフィン Marat Safin ロシア
グランドスラム・シングルス優勝:2回
グランドスラム・ダブルス優勝:1回 - G.クエルテン Gustava Kuerten ブラジル
グランドスラム・シングルス優勝:3回 - L.ヒューイット Lleyton Hewitt オーストラリア
グランドスラム・シングルス優勝:2回
グランドスラム・ダブルス優勝:1回 - J.C.フェレーロ Juan Carlos Ferrero スペイン
グランドスラム・シングルス優勝:1回 - A.ロディック Andy Roddick アメリカ
グランドスラム・シングルス優勝:1回 - R.フェデラー Roger Federer スイス
グランドスラム・シングルス優勝:20回(歴代3位)
キャリアグランドスラム達成者
世界ランキング1位通算在位310週(歴代2位)
世界ランキング1位連続在位237週(歴代1位)
https://bonjin028.com/tennis/bonjin-blog/go-for-it/federer-ritirement-2022topic/ - R.ナダル Rafael Nadal スペイン
グランドスラム・シングルス優勝:22回(歴代1位タイ)
オリンピック・シングルス金メダル:1回
キャリアグランドスラム達成者(2周達成)
キャリアゴールデンスラム達成者- 2005年(当時18歳)から15年以上ランキングトップ10以上の順位を維持(トップ10連続記録週歴代1位。2位はJ.コナーズ)継続中。
- N.ジョコビッチ Novak djokovic セルビア
グランドスラム・シングルス優勝:22回(歴代1位タイ)
キャリアグランドスラム達成者(2周達成) - A.マレー Andy Murray イギリス
グランドスラム・シングルス優勝:3回
オリンピック・シングルス金メダル:2回
「47年間で26人の王者」は、上記まで。
- D.メドベージェフ Daniil Medvedev ロシア
グランドスラム・シングルス優勝:1回 - C.アルカラス Carlos Alcaraz スペイン
グランドスラム・シングルス優勝:1回- 2022全米オープン優勝で、史上最年少(19歳4ヵ月)でのランキング1位達成。
次の新しい王者は誰か
繰り返しますが、2004年から2020年現在までは世界ランキング1位の選手は4人の名前しかありません。
オープン化以降のテニス史をほとんど塗り替えてしまうような怪物たちが同時代に、しかも15年以上の長きに渡り他を圧倒し続け、互いに鎬を削りあっているのがこんにち。
新たに王者の称号を得るのは誰か?
そしてそれはいつになるのか?
K.N選手、私はまだ諦めてないよ。
最後に、記事見出しでも述べましたが当面本記事は記録を追う上でも更新していきます。果たして、このブログ掲載中(筆者存命中)に新しい名前が登場するのでしょうか?^^;
まとめ〈追記・補足〉
この記事では、歴代のランキング1位選手についてまとめました。
- 2021.03.08
- ATPは今週付けの世界ランキングを発表。1位はN.ジョコビッチ。
これで、ジョコビッチの通算1位在位記録は311週となり、R.フェデラーの記録を更新。
- ATPは今週付けの世界ランキングを発表。1位はN.ジョコビッチ。
- 2022.03.18
- 2004年以来、BIG4が独占してきたランキング1位。凡そ18年ぶりに新王者が誕生しました。よって、「47年間で26人しかいない王者」の項の内容は「49年間で27人」に修正しなければなりませんが、当面は初稿当時の文章を残しておきます。
- 2022.06.13
- メドベージェフが再度1位返り咲き。
また、2位にはキャリアハイ更新となったA.ズベレフが昇格し、ジョコビッチは2018年10月以来の3位陥落。
尚、ビッグ4が1.2位から不在となるのは2003年11月10日付ランキング以来、実に18年7ヶ月ぶり。
- メドベージェフが再度1位返り咲き。
- 2022.09.12
- アルカラスが全米オープン優勝でGS初制覇を果たすとともに史上最年少での世界ランキング1位に。
昨今のジョコビッチの欠場(主にワクチン未接種の問題)が影響していることもありますが、BIG4時代からの世代交代の波が鮮明になってきている感があります。
- アルカラスが全米オープン優勝でGS初制覇を果たすとともに史上最年少での世界ランキング1位に。
- 2022.09.15
- R.フェデラーが引退を表明したことにより本稿の若干の修正をしました。お疲れ様、ロジャー。
- 2023.01.29
- N.ジョコビッチが全豪オープン10度目の優勝で次週のランキングから1位に返り咲くことが決定。
- 2023.02.21
- 2月20日付のATP世界ランキングで、N.ジョコビッチの世界ランク1位の通算在位期間が377週となり、男女を通じて最長のS.グラフ(ドイツ)の記録に並びました。
- 2月20日付のATP世界ランキングで、N.ジョコビッチの世界ランク1位の通算在位期間が377週となり、男女を通じて最長のS.グラフ(ドイツ)の記録に並びました。


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